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近年、ファッションジュエリーの世界で「10金(10K)」のアクセサリーが人気を集めています。「18Kよりも手頃な価格で手に入るけど、どんな特徴があるの?」「変色しやすいって本当?」など、さまざまな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。10金は、金の純度を抑えることで、高いデザイン性と優れた耐久性、そして魅力的な価格を実現した素材です。
この記事では、10金の基本的な特徴から、最大の比較対象である18金との違い、メリット・デメリット、そして長く愛用するためのお手入れ方法まで、あらゆる角度から詳しく解説します。この記事を読めば、10金の本当の魅力が分かり、自信を持ってアクセサリー選びができるようになります。
1. 10金(K10)とは?基本的な特徴を知ろう

初めに、10金(10K)がどのような金属なのか、その基本的な性質について3つのポイントから解説します。
1-1. 金の含有率は41.7%
金の純度は、純金を100%とする「24分率」で表されます。これは、純金(理論値)を「24金(24K)」とし、製品全体を24としたときに、どれくらいの割合で金が含まれているかを示す基準です。
10金の場合、以下の計算式で金の含有率を算出できます。
10(金の割合)÷ 24(全体)= 0.4166…
この計算から分かるように、10金(10K)とは、製品全体の約41.7%が純金で構成されている合金であることを意味します。金の含有量としては半分以下ですが、れっきとした金の合金であり、その特性を生かして多くのジュエリーに使用されています。
1-2. 残りの58%は「割金(わりがね)」
では、金以外の残りの約58%は何でできているのでしょうか。これは「割金(わりがね)」と呼ばれるほかの金属です。純金(24K)は非常に柔らかく傷つきやすいため、ジュエリーとして日常的に使用するには強度が不足しています。そこで、割金を混ぜ合わせることで、ジュエリーに必要な硬度や耐久性を持たせているのです。
さらに、割金は色みを調整する重要な役割も担っています。代表的な割金には銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)などがあり、これらの金属をどのような比率で配合するかによって、イエローゴールドやピンクゴールドといった多彩なカラーゴールドが生み出されます。10金は割金の割合が半分以上を占めるため、この配合の自由度が高く、さまざまな色合いを表現できるのが特徴です。
1-3. 10金の刻印は「K10」や「10K」
購入したジュエリーが本物の10金であることの証明として、製品には品位を示す刻印が打たれています。10金の場合は「K10」や「10K」といった刻印が一般的です。
- K10(まえK):
Kが数字の前にあるこの表記は、主に日本国内で製造されたジュエリーに多く見られます。日本の造幣局の品位証明の刻印基準に準じているため、信頼性が高いとされています。 - 10K(アトK):
Kが数字の後ろにあるこの表記は、海外製品や日本の古い時代の製品に見られます。一部、昔の規定が緩かった時代の海外製品などでは、表示されている純度に満たないケースもまれに存在したため、K10刻印に比べると信頼性は若干劣るといわれることがあります。
このほかにも、千分率(パーミル)で金の含有量を示す「417」(41.7%の意)という刻印や、海外の一部製品に見られる「10KT」といった刻印も10金を表します。
2. 10金(10K)が持つ5つのメリット

10金がファッションジュエリーとして人気を集めているのには、明確な理由があります。ここでは、10金が持つ5つの大きなメリットを詳しく見ていきましょう。
2-1. 18Kなどに比べて価格が手頃
10金の最大の魅力は、そのリーズナブルな価格にあります。金の価格は含有量に比例するため、金の含有率が41.7%である10金は、75%の18金や、プラチナ(Pt900で90%)を使ったジュエリーに比べて、手頃な価格帯で購入することが可能です。同じデザインのリングであれば、18K製品の6~7割程度の価格で手に入ることも珍しくありません。
これにより、トレンドに合わせたアクセサリーを気軽に試したり、さまざまなデザインのものをコレクションしたりと、ファッションの幅を広げることができます。
2-2. 傷がつきにくく耐久性が高い
10金は割金の割合が約58%と多いため、金属としての硬度が高く、変形しにくいというメリットがあります。金属の硬さを示すビッカース硬度で比較すると、18Kが約120Hvであるのに対し、10Kは約140Hvと高い数値を示します。この優れた耐久性により、日常的に身に付けていても傷がつきにくく、繊細なデザインでも形が崩れにくいのが特徴です。
特に、物に触れる機会の多いリングや、毎日着けっぱなしにしたいネックレスやピアスなど、普段使いのアクセサリーに最適な素材といえます。
2-3. カラーバリエーションが豊富
前述のとおり、10金は割金の配合比率を大きく変えることができるため、多彩なカラーゴールドを生み出すことが可能です。
- イエローゴールド(K10YG):
銀と銅をバランスよく配合。18Kに比べて淡く、爽やかで明るいイエローが特徴です。 - ピンクゴールド(K10PG):
銅の割合を多く配合。肌なじみがよく、かわいらしく優しい印象を与えます。 - ホワイトゴールド(K10WG):
パラジウムなどの白色金属を配合。プラチナのような白い輝きが楽しめます(通常ロジウムコーティングが施されます)。
18金に比べて全体的に色みが軽やかになる傾向があり、ファッションに合わせやすいのも人気の理由です。
2-4. 日常使いしやすい軽やかさ
金の比重は19.3g/cm³と非常に重い金属ですが、割金として使われる銀(10.5)や銅(8.9)は金よりも軽い性質を持っています。金の含有量が少ない10金は、同じ体積の18金製品と比べると比重が軽くなります。そのため、同じデザインでも着け心地が軽やかになるのが特徴です。
特に、大ぶりのピアスやボリュームのあるネックレスなど、重さが気になるデザインでも負担が少なく、長時間の着用でも疲れにくいというメリットがあります。
2-5. デザイン性が高いジュエリーが多い
10金が持つ優れた硬度は、加工のしやすさにもつながっています。硬くて丈夫な素材であるため、極細のリングや華奢なチェーン、繊細な透かし彫りといった、ディテールに凝ったデザインを安定して作ることが可能です。デザイナーの豊かな創造性を形にしやすく、トレンドを反映したファッショナブルなジュエリーが数多く展開されています。
手頃な価格帯と相まって、デザイン性を重視してアクセサリーを選びたい方にとって、10金は非常に魅力的な選択肢となります。
3. 購入前に知っておきたい10金のデメリット

多くのメリットを持つ10金ですが、購入前にはその特性からくるデメリットも理解しておくことが大切です。ここでは4つの注意点と、その対策について解説します。
3-1. 18Kに比べると変色しやすい
10金が持つ最大のデメリットは、18金よりも変色しやすいという点です。これは、金の含有量が少なく、化学反応を起こしやすい割金(特に銀や銅)の割合が多いためです。
- 銀の硫化:
銀は空気中や温泉に含まれる硫黄成分と反応し、黒ずみます(硫化)。 - 銅の酸化:
銅は酸素や皮脂、汗などと反応し、赤黒く変色します(酸化)。
これらの化学反応は、汗や皮脂、化粧品、香水、温泉の成分などが付着したまま放置されることで促進されます。 - 対策:使用後は必ず柔らかい布で拭く、着用したまま温泉やプールに入らない、といった日々の心がけと、後述する適切なお手入れで、変色のリスクは大幅に軽減できます。
3-2. 金属アレルギーが起こる可能性
金属アレルギーは、汗などで溶け出した金属イオンが体内のタンパク質と結合し、それを体が「異物」と判断することで引き起こされる皮膚の炎症です。アレルギーの原因は純金ではなく、割金に含まれるニッケル、パラジウム、銅、亜鉛といった金属であることがほとんどです。
10金は割金の割合が半分以上を占めるため、アレルギーの原因となり得る金属に触れる確率が、金の割合が高い18金よりも相対的に高くなります。
金属アレルギーの心配がある方は、購入前にパッチテストで原因金属を特定したり、「ニッケルフリー」などアレルギーに配慮した製品を選んだりすることをおすすめします。
3-3. 資産価値としてはやや劣る
金の資産価値は、その含有量によって決まります。金の含有率が41.7%の10金は、75%の18金と比較した場合、同じ重量であれば資産としての価値は低くなります。具体的には、18金の約56%(41.7 ÷ 75)の金の価値となります。
そのため、将来的な売却を前提とした資産保全を主な目的とする場合は、18金や純金(24K)のインゴットなどが適しています。10金はあくまで、そのデザイン性やファッション性を楽しむためのジュエリーと位置づけるのがよいでしょう。
3-4. 修理やサイズ直しが難しい場合がある
「硬くて丈夫」というメリットは、裏を返せば「加工しにくい」というデメリットにもつながります。硬い金属は、曲げたり伸ばしたりする際に強い力を加えると、しなるのではなく割れてしまう(=ロウ付けが外れる、亀裂が入る)リスクが高まります。
特に、リング全周に宝石が留められているエタニティリングや、複雑な透かし彫りが施されたデザインのものは、サイズ直しを断られるケースも少なくありません。
購入時にサイズを正確に計測することはもちろん、将来的にサイズ直しの可能性がある場合は、購入を検討している店舗で修理の可否について事前に確認しておくことが重要です。
4. 【徹底比較】10金(10K)と18金(18K)の違いは?

ここでは、ジュエリー選びでもっとも比較対象となる10金と18金の違いを、5つのポイントから改めて整理します。
比較項目 | 10金(10K) | 18金(18K) |
金の含有率 | 41.7% | 75% |
色み | 淡く明るい、爽やかな印象 | 濃く深みがあり、重厚な印象 |
硬度 | 硬く、傷つきにくい(約140Hv) | 10金より柔らかく、しなやか(約120Hv) |
価格 | 比較的リーズナブル | 10金より高価 |
主な特徴 | 耐久性が高く普段使い向き | 高級感があり資産価値も高い |
4-1. 違い①:金の含有率と価値
これがもっとも本質的な違いです。10金が約42%、18金が75%という金の含有率の差は、素材そのものの資産価値に直結します。
4-2. 違い②:色みの濃淡
金の含有率が高い18金のほうが、金本来の色である黄金色が濃く、深みと重厚感のある輝きを放ちます。一方、10金は割金の影響が強まるため、全体的に淡く、明るく軽やかな色合いになります。
4-3. 違い③:硬度と耐久性
割金の割合が多い10金は、18金よりも硬く、傷や変形に対する耐久性が高いです。日常的に気兼ねなく使いたい場合は10金に軍配が上がります。一方、18金の適度なしなやかさは、指へのなじみのよさや、修理のしやすさにつながります。
4-4. 違い④:価格
金の含有量が少ない分、同じデザインであれば10金のほうが18金よりも購入しやすい価格帯になります。予算を重視する場合や、多くのデザインを楽しみたい場合は10金が適しています。
4-5. どちらを選ぶべき?目的別の選び方
結局のところ、どちらがよいかは優劣ではなく、個々の目的や価値観によって決まります。
- 10金(10K)がおすすめなのはこんな人
- ・トレンドのデザインをファッション感覚で楽しみたい予算を抑えてジュエリーを選びたい複数のアクセサリーをコーディネートに合わせて使い分けたい
- ・仕事や家事の間も気兼ねなく身に着けられる丈夫なものが欲しい
- 18金(18K)がおすすめなのはこんな人
- ・婚約指輪や結婚指輪など、特別な記念の品を探している
- ・金属アレルギーのリスクを少しでも減らしたい
- ・金の持つ重厚な輝きや高級感を重視したい
- ・ファッション性だけでなく、資産としての価値も考慮したい
5. 10金(10K)アクセサリーを長く愛用するためのお手入れ方法

10金は変色しやすいという弱点がありますが、適切なお手入れを習慣づけることで、その輝きを長く保つことができます。
5-1. 基本は「使ったら拭く」
一番簡単で、もっとも効果的なお手入れは「使用後に毎回拭く」ことです。汗や皮脂、化粧品などが付着したまま放置することが変色の最大の原因です。着用後は、ジュエリー専用のクロスや、メガネ拭きのような柔らかく乾いた布で、表面の汚れを優しく拭き取ってください。これだけで変色の進行を大きく防ぐことができます。
5-2. 汚れが気になるときのクリーニング方法
皮脂汚れなどが蓄積して輝きが鈍ってきたと感じたら、自宅で簡単なクリーニングを行いましょう。
- 1.洗面器などにぬるま湯(30~40℃)を入れ、中性洗剤(食器用洗剤で可)を数滴溶かします。
- 2.その中に10金のアクセサリーを5~10分ほどつけ置きし、汚れを浮かせます。
- 3.毛先の柔らかい歯ブラシなどで、石座の裏やチェーンの隙間などを優しくこすり洗いします。
- 4.洗剤が残らないように、きれいな水またはぬるま湯で丁寧にすすぎます。
- 5.柔らかく乾いた布で水分を完全に拭き取って、完了です。
※パールやエメラルドなど、水や洗剤に弱い宝石がついている場合は、この方法は避けて専門店に相談してください。
5-3. やってはいけないNGな保管方法
お手入れと同じくらい重要なのが、日常の扱い方と保管方法です。
- 着用したままの入浴や温泉は避ける:
入浴剤や温泉の硫黄成分は変色の直接的な原因になります。 - 化粧品や香水に注意:
油分やアルコール成分が付着しないよう、身支度の最後にジュエリーを着ける習慣をつけましょう。 - ほかのジュエリーと接触させない:
複数のアクセサリーを一つのポーチなどにまとめて入れると、互いにぶつかり合って傷の原因になります。保管する際は、個別のジュエリーボックスや、仕切りのあるケース、密閉できる小さなビニール袋などを活用し、一つずつ分けて保管するのが理想です。
まとめ
10金(10K)は、耐久性の高さと価格の手頃さから、日常のファッションに彩りを添えるのに最適な素材です。変色しやすいといったデメリットも、適切なお手入れで防ぐことができます。18Kとの違いを理解し、それぞれのよさを知ることで、より賢いジュエリー選びができるでしょう。
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