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将来の資産形成やインフレ対策として、「金を買う」ことに興味を持つ方が増えています。老後資金の問題や世界的な経済の不確実性が叫ばれる中、自分自身の資産をどう守り、育てていくかは多くの人にとって重要なテーマです。その選択肢の一つとして、数千年の歴史を持つ「金」が改めて注目されています。これは単なる「守りの資産」にとどまらず、近年の価格上昇に見られるように、時には大きなリターンをもたらす「攻めの資産」としての側面も持ち合わせています。
しかし、いざ金を買おうと思っても、「どこで買えばいいの?」「どんな買い方があるの?」「失敗しないための注意点は?」など、分からないことも多いのではないでしょうか。金の購入には、インゴットのような現物を手に入れる方法から、毎月コツコツ積み立てる方法まで、さまざまな選択肢があります。
この記事では、金を買うことのメリット・デメリットから、具体的な金の買い方(種類)、おすすめの購入場所、そして購入までの流れと注意点まで、一歩踏み込んで詳しく解説します。この記事を読めば、あなたに最適な金の買い方が見つかり、安心して金投資の第一歩を踏み出せます。
1. なぜ今「金を買う」のか?メリットとデメリット

まず初めに、なぜ多くの人が資産の一部として「金」を選ぶのか、その理由となるメリットと、購入前に知っておくべき注意点を深く掘り下げて解説します。
1-1. 金を買う4つのメリット
金には、株式や債券といったほかの金融資産にはない、独自の魅力と強みがあります。
- 1.インフレに強い実物資産
インフレとは、物価が上昇し、お金(通貨)の価値が相対的に下がることです。例えば、過去のオイルショックや近年のコロナ禍における世界的な金融緩和の局面でも、通貨の価値が揺らぐ中で金の価格は安定、あるいは上昇する傾向を見せました。預貯金がインフレによって実質的に目減りするリスクがあるのに対し、それ自体が価値を持つ「実物資産」である金は、インフレ時の資産防衛(インフレヘッジ)として非常に有効な手段です。 - 2.世界共通の価値を持つ「安全資産」
金の価値は、特定の国や企業の信用力に依存しません。日本円や米ドルといった通貨は、その国の中央銀行に対する信頼によって価値が担保されていますが、金は数千年にわたり価値を認められてきた普遍的な存在です。また、美しい輝きを持つことから宝飾品として、さらには優れた導電性や耐腐食性から電子部品などの産業用素材としても常に需要があり、この「実需」が価値の根源を支えています。そのため、世界中どこでも換金できる流動性の高さも兼ね備えています。 - 3.「有事の金」としての安定性
戦争や紛争、大規模な金融危機といった地政学リスクが高まると、投資家は株式などのリスク資産から、より安全な金へと資金を退避させる傾向があります。これを「質への逃避」と呼びます。多くの人が金を求めることで需要が高まり、結果として有事の際には金の価格が上昇しやすくなるため、「有事の金」として古くから信頼されています。 - 4.近年の歴史的な価格上昇
近年、世界的なインフレ懸念や地政学リスクの高まり、そして日本では大幅な円安が進行していることに加え、長らく続いた世界的な低金利環境が「金利を生まない」という金の弱点を相対的に薄れさせ、投資対象としての魅力を高めてきました。こうした複合的な要因を背景に、国内の金価格は飛躍的な上昇を見せ、史上最高値を更新し続けています。これは、金の普遍的な価値が、現代の不安定な経済状況下で改めて評価されている証左といえるでしょう。
1-2. 金を買う際に知っておきたい2つの注意点
多くのメリットがある一方で、金投資には注意すべき点も存在します。これらを正確に理解することが、賢明な投資判断につながります。
- 1.金利や配当(インカムゲイン)を生まない
金は、それ自体が利益を生み出す資産ではありません。銀行預金の利息や株式の配当金のような、保有しているだけで定期的に得られる利益(インカムゲイン)は一切ありません。これは、金に投資している期間中、もしほかの金融商品(例えば高配当株など)に投資していれば得られたであろう利益を得られない「機会損失」が生じているともいえます。金投資で利益を得るには、購入時よりも価格が上昇したタイミングで売却し、その売却差益(キャピタルゲイン)を狙う必要があります。 - 2.価格変動と実物ならではのリスク
金の価格は常に右肩上がりというわけではなく、日々変動しています。米国の金融政策やドル相場の影響はもちろん、宝飾品需要の大きいインドや中国といった新興国の景気動向も価格を左右する一因です。また、インゴットや金貨などの現物で保有する場合、物理的なリスクが伴います。自宅での保管は盗難や火災、自然災害による紛失のリスクが常に付きまといます。これを避けるために銀行の貸金庫などを利用すると、年間数万円程度の保管コストが発生することも念頭に置く必要があります。
2. あなたに合うのはどれ?金の買い方4つの種類

金の買い方には、主に4つの種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、求められる知識レベルも異なります。ご自身の投資スタイルや目的に合った方法を選びましょう。
2-1. 金地金(インゴット・金貨):現物を手元に置きたい方向け
金地金(インゴット)や金貨を、実物資産として直接購入・保有する方法です。
- メリット:
「金を持っている」という確かな所有感と、物理的に資産が手元にある安心感が最大の魅力です。発行元が保証する品位と重量があるため、換金性も非常に高いです。金貨には歴史や国の象徴が刻まれており、収集する楽しみや美術品としての価値を感じられる点も魅力の一つです。 - デメリット:
保管場所に困る点と、盗難・紛失のリスクを自身で管理しなければならない点が挙げられます。また、500g未満の小さなインゴットには「バーチャージ」という手数料がかかるため、少額での購入は割高になる傾向があります。 - 特徴:
信頼性の高いインゴットには、ブランド、重量、品位(純度)、シリアルナンバーが刻印されています。金貨は「メイプルリーフ金貨(カナダ)」などが有名ですが、インゴットに比べて重量あたりの価格はやや割高になるのが一般的です。
2-2. 純金積立:毎月コツコツ積み立てたい方向け
毎月決まった金額(多くのサービスで1,000円や3,000円から可能)で、金を自動的に購入していく方法です。
- メリット:
「ドルコスト平均法」の効果により、価格変動リスクを平準化できる点が最大の強みです。多くのサービスでは、毎月の定額購入とは別に、資金に余裕がある時や価格が下落したタイミングで追加購入(スポット購入)も可能で、柔軟な資産形成ができます。 - デメリット:
リアルタイムでの売買はできず、購入価格はその日の終値や翌営業日の価格が適用されます。また、購入時手数料や年会費がかかる場合が多く、金ETFなどに比べてトータルコストが割高になる傾向があります。 - 特徴:
積み立てた金は、一定量に達すると金地金として引き出すこと(別途手数料が必要な場合あり)や、そのまま売却して現金で受け取ることが可能です。
2-3. 金ETF(上場投資信託):株式のように手軽に売買したい方向け
金価格に連動するように設計された投資信託の一種で、証券取引所に上場しており、株式と同様に取引されます。
- メリット:
証券口座があれば、株式と同じようにリアルタイムの市場価格で機動的に売買できます。流動性が高く、取引の透明性も確保されています。現物を保有しないため保管コストや盗難リスクがなく、信託報酬(運用コスト)も比較的低廉です。 - デメリット:
証券口座の開設が必要です。元本保証はなく、市場価格によっては損失を被る可能性があります。また、多くの金ETFは金の現物に交換することができないか、できたとしても手続きが煩雑です。 - 特徴:
日本の証券取引所で購入できる代表的な銘柄として「SPDRゴールド・シェア(銘柄コード:1328)」などがあります。株式投資などの経験がある方にはなじみやすい方法といえます。
2-4. 金先物取引:ハイリスク・ハイリターンを狙いたい方向け
将来の特定の期日に、あらかじめ決められた価格で金を売買することを約束する取引です。
- メリット:
「証拠金」を預けることで、その何倍もの金額の取引(レバレッジ)が可能です。価格変動を正確に予測できれば、少ない資金で大きな利益を得られる可能性があります。 - デメリット:
レバレッジは、利益だけでなく損失も拡大させます。予測が外れた場合、預けた証拠金以上の損失が発生し、「追証(おいしょう)」と呼ばれる追加資金の差し入れを求められるリスクがあります。 - 特徴:
価格の下落局面でも「売り」から入ることで利益を狙えるなど戦略の幅は広いですが、高度な知識とリスク管理能力が不可欠な上級者向けの手法です。
3. どこで買うのが正解?金のおすすめ購入場所を比較

金の買い方が決まったら、次に「どこで買うか」を選びます。購入場所によって、取り扱う商品の種類やサービス内容、そして手数料体系も異なります。
3-1. 地金商・貴金属店(実店舗)
金地金や金貨といった現物購入の王道です。コストは主に売買価格の差である「スプレッド」と、小さな地金にかかる「バーチャージ」です。
- こんな人におすすめ:
専門知識を持つスタッフに直接質問や相談をしながら、納得して購入したい方。購入した現物をその場で受け取り、すぐに手元に置きたい方。
3-2. 証券会社
純金積立、金ETF、金先物取引といった金融商品としての金投資がメインとなります。コストは、純金積立の年会費や購入時手数料、金ETFの取引手数料や信託報酬など、商品ごとに異なります。
- こんな人におすすめ:
スマホやPCを使ってオンラインで手軽に取引を完結させたい方。コストを抑えながら、機動的に金を売買したい方。
3-3. 銀行
一部の銀行窓口で、金地金の購入や純金積立サービスを取り扱っています。一般的に、地金商や証券会社に比べて手数料がやや割高な傾向があるため、安心感を重視する方向けです。
- こんな人におすすめ:
普段から利用している金融機関で取引できるという、絶対的な安心感と信頼性を最優先したい方。
3-4. オンラインストア・電話
地金商や貴金属店が運営するオンラインチャネルです。主に金地金や金貨を取り扱っており、手数料体系は実店舗に準じます。
- こんな人におすすめ:
実店舗に足を運ぶ時間がない方。場所や時間を選ばずに、自分のタイミングで金地金を購入したい方。
4. 初心者でも安心!金を買うための具体的な手順

ここでは、実際に金を購入するまでの流れを4つのステップで具体的に解説します。
4-1. STEP1:購入する金の種類と場所を決める
まず、「何のために金を買うのか」という目的を明確にしましょう。目的によって最適な選択肢は変わってきます。
- 目的例①:インフレ対策として、長期保有したい。
- 選択肢:地金商で金地金を購入する、証券会社で純金積立を始める。
- 目的例②:相続対策として、分割しやすい形で現物を保有したい。
- 選択肢:1kgのインゴット1本ではなく、100gのインゴット10本や金貨を購入する。
- 目的例③:資産ポートフォリオのリスク分散として、機動的に売買したい。
- 選択肢:証券会社で金ETFを購入する。
自身の投資経験や資金計画、リスク許容度に合わせて最適な組み合わせを検討します。
4-2. STEP2:必要書類(本人確認書類など)を準備する
金を「売却」する際には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」に基づき、取引を行う会社による本人確認が義務付けられています。特に、一度の取引額が200万円を超える場合は、マイナンバー(個人番号)の提示も必須です。また、 金を購入する際にも本人確認書類の提示を求められる場合があります。売却・購入にかかわらず、取引の際はあらかじめ準備しておくとスムーズです。
- ・運転免許証:
顔写真付きで、氏名、住所、生年月日が記載されており、本人確認書類としてもっとも広く認められています。 - ・マイナンバーカード(個人番号カード):
顔写真付きで、氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーが記載されており、本人確認とマイナンバー確認の両方を兼ねることができます。 - ・パスポート:
顔写真付きで、氏名、生年月日、国籍が記載されており、海外渡航の予定がない場合でも本人確認書類として利用できます。 - ・各種健康保険証:
氏名、生年月日、住所が記載されていますが、顔写真がないため、ほかの補助書類(公共料金の領収書など)の提出を求められる場合があります。
オンラインでの口座開設や手続きの場合は、これらの書類をスマートフォンで撮影し、画像をアップロードする形式が一般的です。
4-3. STEP3:申し込みと代金の支払い
購入する場所と商品を決めたら、申し込み手続きに進みます。店頭の場合はスタッフの案内に従って申込書に記入し、オンラインの場合はウェブサイトのフォームに必要事項を入力します。
金の価格は日々変動するため、購入申し込みから支払いまでの期限は当日中や翌営業日までなど、短く設定されていることがほとんどです。スムーズに取引を進めるため、事前に資金を準備しておきましょう。
4-4. STEP4:金の受け取りと保管方法の決定
金地金や金貨などの現物を購入した場合、最後に受け取りと保管方法を決定します。
- 受け取り方法:店頭で直接受け取るか、保険付きの郵送サービスを利用して自宅などに送ってもらうかを選びます。
保管方法の比較
保管方法 | セキュリティ | コスト | 利便性 |
自宅の金庫 | 低~中 | 金庫代のみ | 非常に高い |
銀行の貸金庫 | 非常に高い | 年間数万円 | 銀行の営業日・時間に依存 |
業者の保護預かり | 非常に高い | 年会費等 | オンラインで残高確認可能 |
「保護預かりサービス」を利用すると、将来売却する際に現物を店舗へ持ち運ぶ手間がなく、オンライン上の手続きだけで売却できるという利便性もあります。
一方で「貸金庫」は、大規模な災害時に銀行自体が閉鎖されると、すぐには引き出せない可能性があるという点も考慮に入れておくとよいでしょう。
5. 金を買う前に押さえておきたい注意点

最後に、金を購入する際に失敗しないために、特に重要な3つの注意点を改めて確認します。
5-1. 手数料(スプレッド、バーチャージ)を確認する
金を購入・売却する際には、さまざまな手数料が発生します。購入価格と売却価格の差である「スプレッド」は、販売業者の利益や、在庫管理・輸送にかかるコストなどが含まれているため、業者によって幅があります。
また、500g未満の金地金にかかる「バーチャージ」、純金積立の年会費や購入時手数料、金ETFの信託報酬など、どの買い方を選ぶかによってコスト体系は大きく異なります。これらの手数料は、長期的なリターンに影響を与えるため、事前にしっかりと比較検討しましょう。
5-2. 信頼できる運営会社・店舗を選ぶ
大切な資産を預けるのですから、取引先の信頼性はもっとも重視すべきポイントです。会社のウェブサイトで価格や手数料の透明性、会社の沿革などを確認するほか、突然の電話勧誘や訪問で「必ず儲かる」といった言葉を使い、契約を急がせるような業者には十分注意してください。また、消費者を守るための制度として、貴金属の訪問購入がクーリング・オフ制度の対象であることも知っておきましょう。訪問買取契約を結んだ場合、消費者は一定期間内であれば無条件で契約を解除できます。
5-3. 売却時の税金について理解しておく
金を購入する際には消費税がかかります。ただし、購入しただけで所得税は発生しません。将来的に売却して利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」として課税対象となる可能性があります。この利益は、売却価格そのものではなく、「売却価格 - (取得費 + 売却手数料)」で計算されます。譲渡所得には年間50万円の特別控除があり、保有期間が5年を超えると課税対象額が半分になる優遇措置も存在します。
また、金は相続財産として相続税の課税対象にもなります。将来的な資産承継も見据え、税金の基礎知識を持っておくと、より計画的な資産運用が可能になります。
まとめ
金を買うには、現物購入から純金積立まで多様な方法があり、それぞれにメリットと特徴があります。ご自身の目的やライフプランに合った買い方、そして信頼できる購入場所を選ぶことが成功の鍵です。この記事を参考に、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
リサイクルキングでは、金の購入に関するご相談も承っております。どのくらいの予算から始められるかなど、お気軽にお問い合わせください。
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